造形美術展「オープン・マインド・オブ・ラフカディオ・ハーン」
ごあいさつ
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、1850年6月27日、アイルランド人の父チャールズ・ハーンとギリシャ人の母ローザ・カシマチとの間に、ギリシャのレフカダ島で生まれました。
八雲は、幼いころ両親と別れ、幼年時代をアイルランドで過ごした後、世界各地を旅し、そして最後、1890年に日本に到着し、この国を安住の地としました。
彼はその独特の目を通して日本を客観的に捉え、理解しそして愛しました。異文化や人種などに偏見を持たない、彼の開かれた心を持って世界を見つめる態度に、今を生きる私たちが共感し学ぶべきことがたくさんあると考えます。
松江は、八雲が最も愛した町のひとつです。
今年は、小泉八雲の生誕160年・来日来松120年にあたり、この記念すべき年に「八雲の世界・精神性」をアートで表現するという造形美術展を、松江のシンボル松江城天守閣と小泉八雲記念館で開催することにしました。
昨年10月には、ギリシャ・アテネのアメリカン・カレッジで、世界7カ国、47名のアーティストによる同名のハーン・アート展が開催され、会場を訪れた多くの人はもちろん、出展した作家たちにも大きな感動と満足感を与えました。
日本で、このようなアートで小泉八雲を表現するのは斬新な試みであり、小泉八雲というひとりの文学者を通して、世界と日本のアーティストがその「オープン・マインド」を表現するというユニークな美術展が実現することになります。
来日120年の今年、小泉八雲の開かれた精神を再評価し感謝と敬意を捧げるものです。